東京聖十字教会
上京したついでに以前から気になっていた東京聖十字教会を見学してきました.東京は梅雨の季節.道産子の私には湿度をともなう暑さがかなり堪えましたが,見に行ってやっぱりよかったと思いました.
巨匠アントニン・レーモンドの設計です.世田谷区の住宅街の中にひっそり建っています.私の住む周辺は酪農地帯で,牧草などを保管しておくいわゆる「D型ハウス」という鉄骨の巨大なプレファブ建築をよく見かけますが,外観はそれと同じような感じです.
レーモンドの建物はどれもそうですが,構造の骨格があらわしになっていてそれが室内の印象を特徴づけています.この建物では今で言う集成材ともいうべきアーチ状のフレームで空間が構成されています.この建物は1961年のもので当時としてはこの構造はかなり斬新なものだったようです.
内部の仕上げはベニヤ合板でいたって質素です.でもあたたかみの中に強い精神性を感じます.無駄がなく研ぎ澄まされた空間です.
入り口上部のステンドグラスもとてもきれいでした.末永く保存されて欲しい建物です.