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東京聖十字教会

上京したついでに以前から気になっていた東京聖十字教会を見学してきました.東京は梅雨の季節.道産子の私には湿度をともなう暑さがかなり堪えましたが,見に行ってやっぱりよかったと思いました.
東京聖十字教会外観
巨匠アントニン・レーモンドの設計です.世田谷区の住宅街の中にひっそり建っています.私の住む周辺は酪農地帯で,牧草などを保管しておくいわゆる「D型ハウス」という鉄骨の巨大なプレファブ建築をよく見かけますが,外観はそれと同じような感じです.

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ビフォー・アフター?

改修前外観
カフェうりむぅは古い家屋のリフォームで出来たお店です.もともとは画像のような木造モルタル塗りの建物.ただし外壁が通気工法になっていなかったこと,柱などの軸組も傷んでいる部分があると思われたこと,窓などの開口部を大幅に変更したかったことなどから,外壁のモルタル仕上げはすべて撤去し,同時に内部の仕上げも床・壁・天井すべて一度撤去しました.結果的に柱の一部は根本が腐っていたので根継ぎして補強しました.小屋組も弱いところは補強しました.
改修後外観
改修後の外観はこのように生まれ変わりました.

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カラマツと青森ヒバの家

先日竣工したBH邸(画像はこちら)では,構造材に北海道産カラマツを,造作材の多くに青森産のヒバを使っています.青森ヒバは私にとっては初めての材種でしたが,オーナーさんがぜひ使いたいとのことで,床や壁,建具枠などの造作材と土台に使用しました.ヒバにはヒノキチオールという成分があり,防虫殺菌作用があって独特のにおいがあります.実際家の中に入ると独特の木の香りがします.
BH邸居間

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釧路根室圏総合体育館建設現場の見学

11月22日に建設中の釧路根室圏総合体育館を見学してきました.(社)北海道建築設計事務所協会釧路支部の主催です.
体育館遠景
メインアリーナの屋根を構成する立体トラスの組み立てが見学の主旨でしたが,当日はほぼ氷点下の気温でしかも風が強く,およそ5階建てくらいの高さまで足場を上ることとなりなかなかスリル満点でした.
立体トラス組み立て現場
体育館の大きさを実感してきました.

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登録林分

さる10月24日に北海道木質構造開発協議会の活動で釧路市音別町にカラマツの登録林分を見学してきました.登録林分,聞き慣れない言葉です.実は見学中もこの言葉の意味がはっきり解らずにいて居心地の悪い思いがしていましたが,帰ってきてからネットで調べてすっきりしました.林分(りんぶん)とは香川県のこちらのサイトによると「林相(構成樹種、樹高の均一さ)がほぼ一様で、しかも周囲の森林とはっきり区別ができるような林地。」と解りやすい解説がありました.今回見学したのは民間の所有ですが,植林されてから54年と53年を経たカラマツの植林で,なおかつ行政機関(北海道)によって価値のあるものとして登録されたところです.紅葉の始まった森は色鮮やかで森の香り(フィトンチッド)を満喫しました.
カラマツの登録林分

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ログホテル ラーチ

道東は紅葉が美しくなりました.今日は台風の影響か風が強いのでかなり葉も落ちました.
先日,月曜塾観楓会(かんぷうかい)に行ってきました.観楓会とは北海道独自の行事で,秋に紅葉を見に行く小旅行です.北海道では春の桜はあまり多くなく,気候も寒いことからお花見はあまり行われません.その代わりに秋に紅葉を見に行く観風会があります.近場の温泉などにいって宴会をしてくるというのが一般的なスタイルです.とはいえ,月曜塾は建築設計者の集まりなので,ただ単に宴会をしに行ったわけではなく色々な建物の見学も兼ねての小旅行でした.10月13日の朝に釧路を出発し,一路美瑛町まで行き昼食はJAびえいの美瑛選果内にあるアスペルジュというお店でおいしいフレンチを食べました.それから富良野まで戻りふらの演劇工房を見学,富良野市内で夜の宴会の買い出しをしたあと,宿泊先のログホテル ラーチに行きました.
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下見板

北海道の広大で自然いっぱいの敷地では,外壁を板張りにすることが多くあります.ほとんどの場合,板の端部をすこし重ねて横に張っていく下見板張りです.まちなかで敷地いっぱいに建物を建てる場合は法律上,外壁の防火性能が求められるので,可燃性の木を外壁に使うのは難しい場合があります.(絶対できないわけではありませんが,面倒です.)下見板張りは北海道ではお馴染みの技術で,かつての木造校舎はたいがいそうでしたし,今でも残っている古い住宅にもよく見られます.
古い民家の下見板張り
この技術,起源はヨーロッパで,イギリスの南東部かスウェーデンかどちらかだそうです.それが地球を西回りに大西洋を越えてアメリカ大陸に渡り,さらには開拓民とともにアメリカ大陸を西へ西へと進み,西海岸のカリフォルニアに達します.そして明治政府の招きで北海道開拓の指導のために訪れたアメリカ人と共に太平洋を渡り日本に伝えられたそうです.そうした由来については藤森照信著 日本の近代建築 に詳しくあります.藤森さんの本はどれもそうですが,この本もとてもわかりやすくおもしろいのでお薦めです.

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「地材地消住宅」完成見学会のご案内

建設段階でも見学会をした,できるだけ地元の木材を使ったTY邸が今週いよいよ完成するので,広く一般の方々に見ていただきたく,一般公開する事となりました.
日時:平成19年6月2日(土)・3日(日)の2日間
時間:午前10時~午後6時
場所:川上郡弟子屈町美留和465-3

    (国道391号線沿い・さけますふ化場近く.国道の敷地入り口にのぼりが立っています.)
PDFファイルによる案内図のダウンロードはこちらからどうぞ
お問い合わせ先:MOBI(モビ)建築・都市研究所 辻谷 0154-55-0615
            株式会社イー・ワークス 芳賀      0154-23-5960

室内
今回の住宅では柱・梁等の構造部材の多くに,国有林のパイロットフォレスト(標茶町・厚岸町)産からまつの無垢材や集成材を使っています.しかもボードに覆われることなく表しのままの部分がありますので,その美しい色合いや木目がご覧いただけます.その他,外部の板張りには厚岸町の道有林産とどまつを,内部の壁仕上げには津別町で生産しているからまつの合板を使用するなど,地場産の木材にこだわり,木の柔らかさ・あたたかさ・やさしい香りいっぱいの建物となっています.住宅に使用している全木材のうち,8割あまりが道産材です.

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校舎の思い出

3月末の「地産地消モデル住宅・見学会」の時,弟子屈中学校に立ち寄り,から松の集成材でできた天板の机を見てきました.これも道産材普及のための補助事業です.弟子屈中学校は私の母校で,中に入ったのは卒業以来ですから29年ぶりのことでした.弟子屈町のウェブサイトによるとこの校舎ができたのが1968年で,私が通っていた時点で築10年ほどだったことがわかりました.当時私が通っていた小学校はまだ木造で暖房も石炭ストーブでしたから,鉄筋コンクリートでスチーム暖房の中学校はとても新しく感じました.
から松の机

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軽井沢の教会

軽井沢には早くから外国人宣教師が入ったこともあり数々の教会があります.「聖パウロカトリック教会(旧聖ポール教会)」はアントニン・レーモンドの設計です.札幌にある「聖ミカエル教会」と比べると丸太で構成されたトラス構造など共通点が多くありますが,ひとまわり小さいかわいらしい教会です.元来ヨーロッパの出身であるレーモンドが設計したキリスト教会でありながら,どことなく日本的な自然観がただよう空間になっています.
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地産地消への取り組み

先にご案内していた「地材地消モデル住宅」の見学会は無事終了しました.私は当日,今回の取り組みの中心的な役割を担ってくださった丸善木材さんから朝,20名ほどの方と一緒にバスに乗りこみました.途中,弟子屈中学校に立ち寄り,道産材普及の事業で天板をから松の集成材にした机を見学したのち,美留和の現場に向かいました.雪解けのこの時期,あいにく敷地内は足下が悪い状態でしたが,釧路管内各地から50名ほどの方々が集まるにぎやかな見学会となりました.
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近代建築の五原則

年末にヨーロッパを建築行脚してきたMさんが,先の月曜塾例会で撮ってきた写真を見せてくれました.その中にあったひとつがル・コルビュジエ設計の「サヴォア邸」でした.写真を見ながら,かつて大学に入って間もない頃,この住宅(正確には別荘)のスライド写真を見せられて「近代建築の5原則」について教わったことを思い出しました.おそらく建築を学ぶほとんどの学生が同じような体験をしていると思います.
「近代建築の5原則」とは「ピロティー」,「屋上庭園」,「自由な平面」,「横長の窓」,「自由なファサード」です.一般の方には何が何だかよくわからないと思いますが,要はそれまでのヨーロッパにおけるレンガや石を積み上げた伝統的な組積造の建築ではできなかったことで,産業革命以後の技術革新における鉄骨造や鉄筋コンクリート造によって建築的に可能になったことを5つあげたということだと思います.
チャンディガール01
画像はル・コルビュジエが都市計画をしたインドの都市・チャンディガールです.

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「地材地消モデル住宅」公開のお知らせ

現在,私の設計で弟子屈町美留和で建設中のTM邸は,地場産のからまつを構造材に使った「地材地消モデル住宅」で,そのからまつによる軸組があらわしになっている建設途中の状態を,一般の方々に公開することになりました.期間は平成19年3月27日と28日の二日間,時間は9時から16時の間です.場所は国道391号線沿いの美留和近郊(さけますふ化場近く)ですが,見学ご希望の方はこちらのページからメールをお送りください.折り返し,詳しい案内図等の資料をメールでお送りします.
からまつの製材
画像は今回の現場で使われる人工乾燥を終えたあとのからまつの柱です.

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しな合板

かつて建築雑誌でローコスト住宅として紹介されるのにしばしば登場していた素材がしな合板(しなベニヤ)です.確かにしな合板は木目がおとなしく全体に白っぽいので,シンプルで質素な感じがします.私もそのスマートさが好きでこれまで幾度となく設計に取り入れてきました.ただしそれがローコストにつながるかどうかというとちょっと疑問です.しな合板そのものは確かにあまり高い材料ではありませんが,それをきれいに張ろうと思うと大工さんの技量も必要ですし,なにより手間がかかるからです.ローコストの住宅をつくろうと思うと,材料に安いものを使うだけではなく,つくる手間もかからないようにしなければなりません.画像はしな合板をを3尺(900㎜)角にして目透かし張りにした例です.合板をぴったり突きつけるのではなく少し間を開けて張る方法です.
MZ邸居間

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アルヴァ・アアルト

フィンランドの建築家アルヴァ・アアルトは大好きな建築家の一人です.彼の手がけたほとんどの住宅がフィンランドの森の中にあり,そんな状況が私が生まれ育った北海道に共通するのもひとつの理由かもしれません.自らも建築家である斎藤裕さんによる本「ヴィラ・マイレア」を購入しました.
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アアルトの代表的な住宅で,斎藤さんの撮影した写真も素晴らしいのですが,アアルトの残したスケッチをもとにその設計過程を解説した文もとても参考になりました.

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お風呂いろいろ

お風呂は当然のことながら裸になって肌が直接,建物と接するところです.ですからその素材にはいろいろ気を使いたい場所です.私は基本的にお風呂は床暖房にすることが多いです.お風呂に入ろうとして足を踏み入れたときに床が冷たいのはどうにも感じが良くありません.
伊豆石の浴槽
これは浴槽に伊豆石を使った例です.伊豆石は薄い緑色の細かい孔のあいた石で,水をかけるとさっとしみこむ柔らかい肌触りの石です.ぜひこの石のお風呂にしたいとのクライアントのご要望で採用しました.ちょっと心配だったのは水がしみ込んだ状態で凍結したら割れないかということでした.ですから,事前にサンプルを取り寄せ,水をかけて冬期間外に置いて試してみました.割れることはありませんでしたが,やはり冬季に使わないときは充分乾燥させた方が無難だと思います.

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木造住宅の耐震強度(その2)

ここでは在来工法の木造住宅を前提に話を進めます.
木造住宅で構造強度を検討するとき,その建物にはたらく力には大きく分けて鉛直方向の力(荷重)と水平方向の力(外力)があげられます.(このほかにも土圧や水圧などもありますが,今回は木造の架構に関連することだけに限定します.)この内,地震による力は主に横方向の力で,後者の外力の一種ですが,今日は前者の鉛直荷重について述べたいと思います.その意味では耐震強度についてというより,一般的に木造の強度についての話です.
鉛直荷重

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建築の外皮

建築の本質のひとつに「内と外の境界をつくる」ことがありますが,その意味でフランス人建築家ジャン・ヌーベルはたいへん秀でた存在です.
アラブ世界研究所外観
画像はフランス・パリにある「アラブ世界研究所」です.アラブ文化というとイスラム教ですが,そのイスラム建築に特有の装飾をカメラレンズの絞りに似た機構でなぞっています.

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屋内プール

今年の夏はプールで痛ましい事故があり,ずいぶん整備が強化されたようです.
雲の上のプール内観
画像は高知県の梼原町というところにある「雲の上のプール」です.平成10年に北海道木質構造開発協議会の活動で,全国の木造建築を視察に行った際,見に行きました.小屋組が張弦梁を採用した木造でできています.一般に屋内プールというと鉄骨造の寒々としたイメージですが,このプールは建物全体で地場産の杉が使われていて,とても温かい雰囲気でした.

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改修工事とフィードバック

釧路市内にある内科医院の改修工事をしました.主に中待合い診察室の壁に腰壁をつくるという内容でした.
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釧路根室圏総合体育館

いよいよ釧路根室圏総合体育館の建設が始まります.
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これまで釧路の総合体育館というと画像の釧路市厚生年金体育館でした.しかし,1963年の建設と老朽化が著しく規模も小さいことから各種競技の全国大会の誘致もできず,新しい総合体育館の建設が望まれていました.

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美しいオアシス都市へ

タイル続き(とはいえ,ちょっと乖離がありますが・・・)で今日はイスラム建築モザイクタイルです.イランのイスファハンは私が訪れたなかでももっとも美しい街のひとつです.特にイスラム教の礼拝所であるモスクの青磁のタイルは,砂漠の中のオアシス都市という状況にあいまって息をのむような美しさです.
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手作りは楽しい

今回は手作りタイルを紹介します.画像は「お宿かげやま」の玄関に張ったタイルです.
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タージ・マハール

世界遺産にも指定されているタージ・マハールは間違いなく世界でもっとも美しい建物のひとつです.
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インドの西部,アーグラーという街にあります.ムガール帝国の皇帝が愛するお后の死を悲しみ,その棺をおさめるために建てた霊廟(お墓)です.何ともすごいお墓を建てたものです.

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柿渋

これまで天然素材の材料をいろいろ使ってきましたが,柿渋もその一つです.写真は新築時に撮影した「お宿 かげやま」の和室で,シナ合板に柿渋を塗った仕上げです.
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無垢材のあたたかさ

旭川は国内でも有数の家具の生産地ですが,今回は旭川家具木工祭ということでたくさんの家具メーカーが商品展示会や工場見学といったイベントを開いている中,カンディハウスに行って来ました.

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