ムンバイ(ボンベイ)
今年の11月にインドのムンバイで多数の死傷者が出たテロ事件がありました.テレビのニュースをみながら,「ムンバイってどこだろう?」と不思議に思っていました.かつて2年間もアジアとヨーロッパを旅していたことがあり,その間もっとも長く滞在したのがインドで,5ヶ月間を過ごしました.広い国なので隅から隅までというわけにはいかなかったけど,おおよそ一回りしたのでたいがいの都市は知っているつもりです.ムンバイがかつてのボンベイだということをようやく後で知りました.1995年にボンベイからムンバイに呼称が変わったようです.私があの都市にいたのはたしか1日か2日だったと思いますが,おおよそインドらしくない街だったように記憶しています.
インドの政治的な中心は首都であるデリーですが,商業的な中心地はムンバイ(ボンベイ)で,近代的な建物が建ち並ぶこざっぱりとした街の印象でした.画像右側のイタリア風ドームがある建物が今回のテロの現場にもなった「タージ・マハル・ホテル」です.
もう一つ印象的だった建物がボンベイ大学の図書館入り口になっている時計塔・ラジャバイ・タワーです.イタリア・ゴチック風の建物で,設計はイギリスのジョージ・ギルバート・スコットです.ちょっと私の母校早稲田大学の大隈記念講堂の時計塔を思い起こさせます.
あれほど悲惨なテロ事件だったのに,その後の世界的な経済不況のニュースに押しやられてか,その後はあまり報道もされなくなりました.国外で日本人がテロに巻き込まれて命を落とすということも,なんだか珍しくないようになってきたように思います.どうにもやりきれない思いがします.