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第二のふるさと・ネパール

ナムチェ・バザール(標高3440m)は世界の最高峰エベレスト山の裾野・クーンブ地方の交易の中心地です.この街では毎週土曜日に画像のようなバザールが開かれます.周辺の人々はこのバザールを目指して自分の村でとれたものを背負い,街に集まってきます.その賑わいは大変なものです.
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ヒマラヤの山々をめぐるトレッキングをしている間は,その素晴らしい景色と人々の人なつこい笑顔にふれ毎日が楽しくて夢のようでした.そして初めての場所なのになぜかなつかしい思いがしていました.

高校生の時に山登りを始め,大学では本州の山をあちこち巡っていた私にとってヒマラヤでのトレッキングはあこがれでした.最初にポスト・モンスーンつまり雨期後の秋にネパール西部の都市ポカラからアンナプルナ山郡を一周する約1ヶ月のトレッキングをしました.そこですっかり味を占めた私はトレッキングができない冬の間,インド南部を旅してまわり,プレ・モンスーンの3月・4月に再びネパールに入国し,今度はエベレストのあるクーンブ地方のトレッキングに挑みました.
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標高が3000メートルあたりをすぎると,いわゆる森林限界の上で木はほとんど無くなります.ですから,建っている家も開口部周りや小屋組に木が使われていますが,基本的に石積みでできています.窓は小さく,空気が薄いので拡散光も少ない室内は極端に暗く感じます.でも,調理で燃やす薪のにおいは,とてもなつかしく感じたりします.
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これはゴーキョ・ピーク(標高5360m)からのゴジュンバ氷河です.あたり一面見えるものは岩と氷と宇宙を思わせるような暗い青空ですが,本当に美しい世界でした.
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私は輪廻転生や生まれ変わりといったことについてはよくわかりませんが,ヒマラヤでのトレッキングをしていてそこに住む人たちと接し,この人達はきっと自分の祖先と繋がりがあると感じました.言葉は通じなくても自然と気持は通じ合うような気がしたからです.

プロフィールにありますように私は20代の半ばに長い旅をしました.旅に出るきっかけには人との出会いと別れがありましたが,旅そのものがまた出会いと別れの連続でもありました.結果的にその2年間の旅は,このコラムの多くのネタ元になっているように,私にとってとても貴重な財産になりました.財産を切らさないようにこれからも新たな旅ができればと思っています.

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