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モスクの見学

おそらく世界でもっとも近代的なデザインのモスクがこの「シャー・ファイサル・モスク」でしょう.鋭くとがった4本のミナレットはロケットのようだし.まるで月面基地みたいです.
シャー・ファイサル・モスク
パキスタンの首都,イスラマバードにあります.名前の通り,サウジアラビアの国王シャー・ファイサルからの寄付により建てられました.

イスラマバードは,荒野の中にきれいに整備された道路が延び,近代的な官公庁の建物が散在するかなり人工的な街です.もともとパキスタンの首都は南部のカラチでしたが,場所的に不便だったようでその後この街が造られ遷都されました.実際に人が住んでいるのはラワールピンディという街です.私も宿泊していたラワールピンディからバスに乗って見に行きました.

実はその日は金曜日でした.まだイスラム圏に入って日の浅かった私はうっかりしていたのですが,金曜日はキリスト教での日曜日と一緒で,イスラムの人々は仕事はお休みでモスクに礼拝に行く日なのです.通常,礼拝には異教徒は入れませんから,モスクを見に行こうとしたら金曜日はさけた方がいいのでした.ところが運が良かったのはバスの中でラジオ局のディレクターだという人が話しかけてきて,結局その人がモスクを案内してくれることになりました.彼の解説で,アラビアのお金持ちの寄進によって建てられたこと,デザインはテントがモチーフになっていることを知りました.砂漠の民はテントを張ってその中で礼拝をしたことが由来だそうです.
モスクはどこもそうですが,まず中にはいる前に水場があってそこで手足を洗い身を清めます.中にはいると,人々は床に座っていて,イマーム(導師)のお説教を聞いていました.で,そこからが大変でした.突然全員が立ち上がり,整列しだしたのです.そしてあの立ったりひざまずいたりのイスラムのお祈りが始まってしまったのです.私は必死でした.周囲の人のしぐさを見ながら一生懸命真似をしてお祈りの動作を繰り返しました.なにせみんながひざまずいているときに一人だけ突っ立っていられませんし,おまえは異教徒だろう!とだれかに追求されるのではないかと思ったからです.
お祈りの後
これはお祈りの後,三々五々解散していくところです.なかなか貴重な体験でした.
モスクを見に行くときに気を付けなければならないことは,写真をみるとわかりますようになにか帽子をかぶった方がいいし,短パンはさけた方がいいと思います.パキスタンの男が来ている服は「シャルワール・カミス」といい,薄い綿でできただぶだぶの服です.上のシャツはものすごく長くて膝のあたりまであるのが特徴です.で,実はこの服が暑いパキスタンの気候では一番涼しく感じるのです.私も一着しつらえて,旅行中着ていました.
シャー・ファイサル・モスクのミナレット
なお,モスクに大概つきもののこのミナレットですが,もともとは人々に礼拝の時間が来たことを伝えるためにできたそうです.実際,私が泊まったペシャワールという街の宿では,近くにモスクがあり,朝のまだ暗いうちから毎日大音響で礼拝の開始を告げる声が流れ,必ず目が覚めるのでした.

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